5月8日9日 こはくの日
5月8日9日はこはくの日。商業的に琥珀の採掘を行っている唯一の久慈市から琥珀の魅力を伝え、その価値を高めるために、琥珀装飾品の製造、加工、販売、琥珀博物館の運営を手がける久慈琥珀株式会社と琥珀の原石の採掘から工芸品への加工、販売を行う有限会社上山琥珀工芸と琥珀商品の企画や琥珀に関するコンサルティングなどを行う株式会社ten-senが制定し、日本記念日が認定した。
日付は、「
琥珀の豆知識

琥珀は化石樹脂として知られています。これは古代の樹木が分泌した樹脂が地質学的なプロセスを経て固化したものです。樹脂が固化すると、その中には昆虫や植物の微細な残骸が閉じ込められることがあります。これらの細部まで保存された化石は科学者にとって貴重な情報源となり、古代の生態系を研究する上で非常に重要です。
琥珀は黄色からオレンジ、時には赤色や黒色といったさまざまな色調を持ち、透明度も高いものからほとんど透けないものまで幅広く存在します。特に美しい琥珀は宝石として扱われ、ジュエリーや装飾品の製作に用いられます。
また、その成分と特性により、琥珀は香水の製造にも利用されます。特有の淡い香りは、古くから神聖な儀式で使われてきました。
一方、琥珀の産地は世界中に広がっていますが、最も有名な産地はバルト海の周辺で、ここで採掘される琥珀は特に「バルト琥珀」と呼ばれます。その他にもドミニカ共和国やミャンマーでも高品質な琥珀が産出されます。
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琥珀(こはく)は、数千万年から数億年前に地上に繁茂していた樹木の樹脂が化石化したもので、自然界の美しさと歴史の深さを秘めた宝石です。世界最古の琥珀は約3億年前のものとされ、イギリスやシベリアで発見されています。特に、日本の久慈地方で産出される琥珀は約9,000万年前のもので、南洋スギが起源樹種とされており、その商業価値は非常に高いとされています。
琥珀は宝石の中でも珍しく、その生成過程で古代の昆虫や植物の一部が内包されることがあり、これらの琥珀は科学的、学術的価値も非常に高く、希少性があります。色彩は黄、茶、赤、白、青、緑、黒など極めて多彩で、約250色に及ぶと言われています。琥珀のもとになる樹木は、広葉樹から針葉樹まで多岐にわたり、その種類は時代や産地によっても異なります。
古来より、琥珀は装飾品や宗教的なアイテム、医薬品としても用いられてきました。日本では旧石器時代から琥珀製の小玉が出土しており、縄文時代や古墳時代を通じて、装飾品や交易品として広く利用されていました。また、室町時代以降、特に久慈地方での琥珀採掘が産業化され、江戸時代には南部藩の貴重な財源の一つとなりました。現代では、主に宝飾品や工芸品として親しまれています。
琥珀の名称の由来には様々な説があり、中国語では「虎死して、則ち精魂地に入りて石と為る」という意味から来ているとされ、英語のAmber(アンバー)は、古代アラビア語で「海に漂うもの」を意味するアンバールに由来すると言われています。これは、琥珀が海から打ち上げられる宝石であったことにちなんでいます。
琥珀は、その美しさ、歴史、科学的価値を通じて、今もなお多くの人々を魅了し続けています。その独特の風合いと内包された古代の息吹は、私たちに地球の長い歴史を感じさせてくれる貴重な宝石です。