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9月29日 アダプト・プログラム記念日

 9月29日はアダプト・プログラム記念日。食品容器環境美化協会では散乱ゴミ対策の有望な手段として、1990年代よりその普及・推進を行ってきたことから、アダプト・プログラムを社会全体に広げていくのが目的。

 公益社団法人 食品容器環境美化協会が制定し、日本記念日協会が認定した。

 日付は、食品容器環境美化協会が「第1回アダプト・プログラム制度研究会」を開催した日(1997年9月29日)にちなんで、9月29日とした。

アダプト・プログラムとは

 アダプト・プログラムとは市民と行政が協働で進める「まちを美化・清掃するプログラム」のこと。

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 アダプト・プログラムは、市民と行政が共同で取り組む新しいタイプのまち美化活動です。英語での「ADOPT」が「養子にする」という意味を持つことから、このプログラムでは、一定区画の公共の場所をあたかも養子にするように、市民が愛情を持って清掃や美化の活動を行います。その一方で、行政は支援や協力を行い、市民と行政が互いの役割を分担しながら、綺麗なまちづくりを推進していきます。

 特にアダプト・プログラムは、地域密着型の清掃活動を中心に、市町村ごとにカスタマイズされた形で導入されています。市民と行政が協力することで、一過性ではなく持続可能な美化活動が可能になり、地域全体の美観向上に貢献します。また、継続的な清掃活動は、ゴミの散乱を自然と減らし、清潔な環境が維持されることで、さらにゴミを捨てにくい環境が育まれます。

 このプログラムの効果として、まず第一に、まちの美観が向上し、ポイ捨ての減少が期待されます。アダプト・プログラムにより、地域の美化意識が高まるとともに、参加した人々の間ではポイ捨てが減るという報告が多くあります。副次的な効果としては、地域コミュニティの結束が強まることや、高齢者や障害者が積極的に参加する場となり、社会全体の包摂が進む点も見逃せません。

 起源に目を向けると、アダプト・プログラムはアメリカの「アダプト・ア・ハイウェイ・プログラム」にそのルーツがあります。このアイデアは1985年にテキサス州で始まり、急速に全米に広がりました。その成功を受けて、他国でも類似のプログラムが立ち上がり、国際的な広がりを見せています。日本においては1998年に徳島県の神山町で初めて導入され、以後、多くの自治体で採用されています。

 アダプト・プログラムは、その参加型の美化活動が、ただの清掃作業を超え、地域社会に新たな活力をもたらす一因となっているのです。市民一人ひとりが主体となり、自分たちの住む地域をより良い場所に変えていくこの動きは、これからも多くの地域での導入が期待されるプログラムでしょう。