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~今日は何の日?~

7月9日 なでしこPOPの日

 7月9日は、なでしこPOPの日。大阪府大阪市でPOPを活用したマーケティングコンサルタントなどを行うPOP未来図が制定し、日本記念日協会が認定した。

 POPの魅力を活用して働く女性たちが一緒に商売繁盛を目指し、女性の感性を活かした販促活動をアピールするのが目的。地域経済の活性化、女性の雇用創出、高齢者人材の活用機会を増やすなど、社会的意義のある取り組みを目指す。

 日付は、働く女性の象徴としての「な(7)でしこ」の7と、「POP」のPを反転させると9に見えることから、7月9日とした。

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 POPという言葉は、もともと" Point of Purchase "の略であり、日本語に直すと「購買時点」となります。これは商品が実際に買われる場所、たとえば店頭や陳列棚に設置される広告媒体や表示物を指すものです。こうしたものは、値札やポスター、ストアカード、掛け札、のぼり、場合によってはデジタルサイネージなど多種多様な形で目にすることができます。

 日常の買い物で何気なく目に入るこれらの表示は、いわば“第2の販売員”としての役割を果たします。商品の価格や特徴を短い言葉やイラストで伝え、その場で買うかどうかを悩んでいるお客の判断を手助けし、購買への後押しをするわけです。そのためわかりやすく読みやすいことが重要で、特に手描き風の文字やイラストは親しみやすさや目を引く効果があります。

 このPOPが注目されるようになったきっかけは、昭和30年代後半にスーパーなどセルフサービスの店が増えたことにあります。それまでは接客が主だった販売方法が、商品を自分で取り、手に取って選ぶスタイルへ変化した際に、店員に代わって情報を伝える手段が必要になったのです。こうしてPOPは安価で手軽に設置でき、なおかつ購買意欲を高める効果が期待される、重要な販促道具として広く使われるようになりました。

 掲示用途によってその役割も変わります。店の外から中へお客を誘導するのぼりや看板は来店促進を目的とし、店内に置かれるカードやポスターは商品の魅力や特徴を伝え、その場で購入を決めやすくする情報提供型です。また、デジタルPOPでは動画や音声を使った演出も可能となり、視覚と聴覚の両面で興味を引く表現ができるようになりました。

 POPを効果的に使うには、お客さまの目線と行動を想像することが大切です。たとえば陳列棚のどの高さに置くと見やすいか、どの順序で商品を見るかなどを考慮し、伝える内容はシンプルに。「価格」「おすすめのポイント」「どんな人に向いているか」などが、ぱっと見てわかるように工夫されます。

 さらに、POPはただの装飾ではなく販促効果を生むための戦略ツールとしても活用されます。店の雰囲気作りや商品イメージの訴求、比較やセット販売の提案など、売上アップにつながる情報設計が求められます。店舗スタッフが自分で手描きで作れば、その場の新鮮な視点やリアルな声を盛り込めるため、親しみやすく共感されやすい表現になります。

 まとめると、POPとは購買が行われる場所に設置する広告や表示物のことであり、店員の代わりに商品情報を伝え、購入を後押しするツールです。その手軽さと効果から、小売や飲食など幅広い現場で活用され、近年ではデジタル技術を取り入れたものも増えており、お客さまとのコミュニケーションや売上向上に大きく貢献しています。