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10月29日 おしぼりの日

おしぼりの日

 10月29日はおしぼりの日。貸おしぼりの有用性を知ってもらい、活用してもらおうと、全国各地域の貸おしぼり業協同組合で構成される全国おしぼり協同組合連合会が制定し、日本記念日協会が認定した。

 日付は、「(10)」の語呂合わせと、「拭く(29)」の語呂合わせから、10月29日とした。

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 おしぼりは、手や顔を清潔に保つために使われる湿った布や紙製の繊維製品です。日本では古くから独自の文化として発展し、現在では飲食店や公共の場など、さまざまなシーンで提供されています。

 おしぼりの起源は古代日本まで遡りますが、その具体的な歴史には確固たる証拠が存在しないため、多くは推測に基づいています。古事記や源氏物語の時代には、公家が客人を迎える際に濡れた布を提供していたとされ、これがおしぼりの前身と考えられています。江戸時代に入ると、旅籠(はたご)で旅人に手ぬぐいが提供され、これを水に浸して絞る行為が「おしぼり」として定着しました。

 戦後、日本の飲食店では自家製のおしぼりを提供していましたが、顧客数の増加に伴い、手作業では対応しきれなくなったため、貸しおしぼり業が誕生しました。この業界では、衛生管理が徹底されており、使用済みのおしぼりはクリーニングされて再利用されるシステムが確立されています。また、使い捨ての紙おしぼりも広く使用されるようになり、衛生面での安全性や利便性が高まりました。

 おしぼりの種類には主に布製と紙製があります。布製おしぼりは再利用が可能で環境に優しい一方、紙製おしぼりは使い捨てで衛生的なため、現代では多くの場面で見られます。特に、飲食店や医療機関では、客や患者に清潔な環境を提供するために重要な役割を果たしています。

 さらに、おしぼりは温かいものや冷たいものが提供され、季節や設定に応じて客の快適性を高めるために使われています。これにより、食事前の手洗いの代わりや、食後の手の清潔を保つ手段としても利用されています。

 このようにおしぼりは、単なる清潔用具以上の意味を持ち、日本のおもてなし文化の一環として、また日常生活の中で広く愛用されているアイテムです。

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