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6月1日 鼠径ヘルニアの日

 6月1日は、鼠径ヘルニアの日。腹部のヘルニアに関する研究の発展および普及などを行う一般社団法人日本ヘルニア学会が制定し、日本記念日協会が認定した。

 「鼠径ヘルニア」とは一般に「脱腸」とも呼ばれる疾患で、足の付け根にある鼠径部から腸などの臓器が飛び出し、膨らみとして現れる状態のこと。成人の場合は自然治癒することはなく、手術が唯一の治療法といわれている。「鼠径ヘルニア」を多くの人に正しく理解してもらい、専門医へ受診するきっかけとするのが目的。

 日付は、数字の6がヘルニアの膨らみやヘルニアが出てくる穴(ヘルニア門)に似ていることと、同学会が一般社団法人として登記された日2023年6月1日)から、6月1日とした。

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 鼠径ヘルニアは、足の付け根付近にある鼠径部で、腸や腹膜の一部が筋肉の隙間から皮膚の下に飛び出す状態を指します。一般的には「脱腸」とも呼ばれ、特に中高年の男性に多く見られます。発症の主な原因は、加齢や筋肉の弱化、腹圧の上昇などが挙げられます。例えば、重い物を持ち上げる作業や、慢性的な咳、便秘などが腹圧を高め、発症のリスクを高める要因となります。

 症状としては、鼠径部にピンポン球のような膨らみが現れ、立ち上がったり、咳をしたりすると目立つようになります。初期段階では痛みを感じないこともありますが、進行すると違和感や痛みを伴うようになります。特に注意が必要なのは、飛び出した腸が元に戻らなくなる「嵌頓(かんとん)」という状態です。嵌頓が起こると、腸の血流が遮断され、壊死や腹膜炎などの重篤な合併症を引き起こす可能性があります。

 治療法としては、自然治癒は期待できないため、手術が唯一の根本的な解決策となります。手術には、鼠径部を切開して行う方法と、腹腔鏡を用いた方法の2種類があります。どちらの方法も、飛び出した腸を元の位置に戻し、筋肉の隙間を人工のメッシュで補強することで、再発を防ぎます。手術後は、数日の安静が必要ですが、比較的早期に日常生活に復帰することが可能です。

 日本では、年間約30万人が鼠径ヘルニアを発症し、そのうち約15万人が手術を受けているとされています。しかし、症状が軽度であることや、恥ずかしさから医療機関を受診しない人も多く、実際の患者数はさらに多いと考えられています。特に高齢者や、腹圧がかかりやすい職業の人々は、早期の診断と治療が重要です。

 鼠径ヘルニアは、放置すると重篤な合併症を引き起こす可能性があるため、鼠径部に違和感や膨らみを感じた場合は、早めに医療機関を受診することが推奨されます。適切な診断と治療を受けることで、日常生活への影響を最小限に抑えることができます。

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