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11月1日 日本点字制定記念日

日本点字制定記念日

 11月1日は日本点字制定記念日。1825年にフランスで考案された点字は、東京盲唖学校(当時)の教頭、小西信八が視覚障害者の文字として優れていることを見出し、教員や生徒などにより日本語を表す点字に翻案する研究が続けられた。1890年(明治23年)11月1日に教員の石川倉次の案が採用され、ここに日本の点字が制定。この日を記念して、特定非営利活動法人日本点字普及協会が制定し、日本記念日協会が認定した。

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 点字は、視覚に障害を持つ人々が文字を読んだり書いたりするために使用するシステムです。このシステムは、紙の上に小さな盛り上がった点を配列して形成され、指の感触で文字を識別します。特に、ルイ・ブライユが開発したブライユ点字は、世界中で広く利用されています。

 ブライユ点字の基本的な単位は、縦3行、横2列の計6つの点から成るセルです。これらの点は組み合わせによって異なる文字や記号を表現し、点の有無で多様な情報を伝えることが可能です。全部で64通りのパターンがあり、その中にはアルファベット、数字、記号、そして制御コードなどが含まれています。

 ブライユ点字の発明以前には、シャルル・バルビエによって考案された「夜間戦闘記号」という12点の点字システムがありましたが、これは複雑で効率的ではありませんでした。ルイ・ブライユはこのシステムを改良し、より簡潔で読みやすい6点ブライユを開発し、視覚障害者の教育と自立に革命をもたらしました。

 日本においても、明治時代にブライユ点字が導入され、その後独自の進化を遂げて日本語の音節を表現できるシステムが確立しました。石川倉次や小西信八といった教育者たちが中心となり、日本独自の点字が形成されたのです。日本の点字は、文字だけでなく、カタカナや漢字、特殊な記号を表すための工夫も凝らされています。

 点字はただの文字の代替ではなく、文化的な役割も果たしており、音楽や数学など特定の専門知識を伝えるための特殊な点字も存在します。これにより、視覚障害者はさまざまな分野で教育を受け、社会に積極的に参加することが可能になっています。

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